東京リベンジャーズ 【Amazon Prime Video】
「週刊少年マガジン」で連載された和久井健原作の「東京卍リベンジャーズ」を実写化した2021年のSFアクション映画。アニメ化もされ、2023年には続編の「東京アベンジャーズ2 血のハロウィン編」が公開される。
フリーターで冴えない日々を過ごしている花垣武道(北村匠海)は、ある日、高校時代の恋人橘日向(今田美桜)とその弟の直人(杉野遥亮)が犯罪組織・東京卍會の抗争に巻き込まれて死んだことを知る。翌日、武道は何者かに地下鉄のホームに突き飛ばされ、電車と衝突した次の瞬間、10年前のヤンキー高校生の姿で意識を取り戻す。武道は死の前の「走馬灯」を見ているのだと思いながらも高校時代の日向に会い、弟の直人には未来の出来事を教え、姉を守るように伝える。再び現代に戻った武道だったが、ホームに転落しそうになった彼を救ったのは直人だった。刑事になっていた直人は武道の警告によって死を免れたが、日向を救えなかったことを告げ、武道に再び過去に戻り、東京卍會の総長となる佐野万次郎(吉沢亮)に会って過去を改変するよう頼む。
昨年、テレビ放映されたときはスルーして Prime Video でようやく鑑賞。我ながらアマノジャクなのだが、毎日のように「番宣」で目にしていると面白そうな作品も見る気を失ってしまう。特にフジテレビが製作に絡んだ作品は「めざましテレビ」からゴールデンタイムのバラエティやクイズ番組まで映画の出演者が出ずっぱりで、公開前にお腹いっぱい(最近では「レジェンド&バタフライ」が好例)。この作品も公開当時毎日のようにテレビスポットが流れていた記憶がある。それでも、購入済みのDVDやBlu-rayの在庫が尽きていたので、Prime Video のラインナップから肩が凝らずに楽しめそうなこの作品を選び出した。
実際に映画館に足を運ぶほどかといえば微妙だが、十分に楽しめる作品だった。原作は読んでいないので、あくまでも映画の感想だが、5年以上にわたって連載された原作の面白そうなところをうまくまとめているのではないだろうか。しかも、何度もタイムリープを繰り返していく原作に対して、この作品は1作で潔く完結させている。本質的には何も変わっていないので続編への布石が見え見えとはいえ、シリーズ化を意図して単なる予告編で第1作が終わるものも多い中でハッピーエンドは逆に意外だった。出演者ではマイキーを演じた吉沢亮が「晴天を衝け」やバイト侍よりも魅力的で、主演の北村匠海よりも好印象。数名が「今日から俺は!!」の出演者と重なるのはどうかと思うが、それはそれで楽しめる部分でもあった。
このブログを書いていて、ふと「不良」と「ヤンキー」の違いについて考えた。私の語彙に「ヤンキー」はないのだが、現代は「不良」という語は既に死語。少なくとも「不良」という語が使われた場合、「ヤンキー」のように容認のムードはなく、あくまで非難の対象になるような気がする。もちろん、公式な定義があるわけではないが、「不良」は行為そのものをイメージさせる一方、「ヤンキー」は外見やファッションを示すイメージが強い。ただし、50代後半の私にとっては任侠の世界にも似た「仁義」が「不良」にはあると思いたい。そう考えると、この作品の舞台は1990年代だが、彼らのことは「ヤンキー」ではなく「不良」と呼びたい気がする。
作品データ
監督:英勉 出演:北村匠海、山田裕貴、今田美桜他
公開:2021年 製作国:日本
東京リベンジャーズ - 北村匠海, 山田裕貴, 吉沢亮, 杉野遥亮, 今田美桜, 鈴木伸之, 眞栄田郷敦, 清水尋也, 磯村勇斗, 間宮祥太朗, 高橋泉, 英勉
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