ドライブ・マイ・カー DRIVE MY CAR ☆ 【BD】
村上春樹の同名小説をもとに構成され、公開から半年が経過した現在も国内外で注目を浴び続けている2021年の日本映画。カンヌ映画祭で脚本賞など4部門を受賞し、第94回アカデミー賞では作品賞を含む4部門にノミネートされ、国際長編映画賞を受賞した。
舞台演出家の家福(西島秀俊)と脚本家である音(霧島れいか)の夫婦は、幼い娘を肺炎で亡くして以来、二人で暮らしていた。ある日、音が自分以外の男と関係を持っていることを知った家福は、ショックを受けながらも二人の理想的な関係が壊れることを恐れて何も言えずにそれまでと同じ生活を続けていた。ところが、音から「帰宅したら話したいことがある」と告げられたその日に彼女はくも膜下出血で急死する。2年後、広島で行われる国際演劇祭に演出家として招かれた家福は、2か月の間、宿舎と仕事場の移動を担当する運転手のみさき(三浦透子)を紹介される。演劇祭には妻との関係が疑われる俳優の高槻(岡田将生)や台湾、韓国からの多様性に富む俳優が参加し、多言語によるチェーホフ作品の稽古が始まる。
いまさら素人が長々と作品評を述べても意味はないが、国際的に評価されたことも十分に納得できる「面白い」作品だった。ボリウッド映画や「ロード・オブ・ザ・リング」並みの3時間という長さもまったく気にならず、グイグイと作品世界に引き込まれた。淡々とした雰囲気ながら、緊張感を保ったまま物語が進むのは、テレビで見慣れたはずの西島秀俊や三浦透子、岡田将生の演技力に負うところも大きい。テレビドラマなら安易に感情を爆発させそうな場面でも、抑制の効いた繊細な演技で感情を表現しており、彼らがこれほど巧い俳優だったのかと再認識した。もちろん、キャストの演技力に加え、演出の巧みさがあったことはいうまでもないが、日本映画にはこれまでになかった作品であるように感じた。多言語でチェーホフの戯曲「ワーニャ伯父さん」を上演するという仕掛けも非常に効果的で、場所や時代を超えて普遍性を持つ作品として成立させることに一役買ったのではないか。
作品データ
監督:濱口竜介 出演:西島秀俊、三浦透子、岡田将生他
製作年:2021年 製作国:日本
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