モンハンには勝利 モータルコンバット

モータルコンバット　MORTAL KOMBAT　☆　【ＵＨＤ】



　対戦型格闘ゲームを映画化した1995年の「モータル・コンバット」のリブート作品で、真田広之や浅野忠信など日本人俳優も出演した2021年のアメリカのアクション映画。

　17世紀の日本、ハサシ・ハンゾウ（真田広之）は、中国の暗殺者ビ・ハン（ジョー・タリスム）に妻と息子を殺され、生まれたばかりの幼い娘を残して自身も命を落とす。時は現代に移り、人間界と魔界が争う武術大会「モータルコンバット」では魔界が10戦のうち９勝を収め、人間界を征服する日が迫っていた。古代の予言でハンゾウの子孫が魔界の勝利を拒むとされていたことから、魔界の戦士を率いるシャン・ツン（チン・ハン）は、人間界の王者を殺すためにビ・ハン＝サブ・ゼロを送り込む。ハンゾウの子孫である格闘家のコール・ヤング（ルイス・タン）は、妻子とともにサブ・ゼロに襲われるが、特殊部隊のジャックス少佐（メカッド・ブルックス）に救われ、ソニア・ブレイド（ジェシカ・マクナミー）に会うよう指示される。「モータルコンバット」の存在を知ったコールは、ソニアたちとともに人間界の守護神ライデン（浅野忠信）の寺院を訪れ、自身を「覚醒」させるための修行に臨む。

　「モータルコンバット」は「モーコン」と呼ばれることもあるようだが、同じくゲームを原作とした「モンハン」＝「モンスターハンター」と比べると、キャストは地味ながら実写映画作品としての面白さでは上のような気がする。「モンスターハンター」は1995年の「モータル・コンバット」をヒットさせたポール・W・S・アンダーソンが監督を務め、彼の妻であるミラ・ジョヴォヴィッチやトニー・ジャーなど豪華キャストが顔を揃え、ＶＦＸも派手だったが、全体的にファンタジー映画を見ているようなほのぼのした雰囲気が漂っていた。その点、「モータルコンバット」はキャストこそ地味だが、格闘アクションが中心でＶＦＸもバランスよく使われていた。日本人にとっては真田広之が出ているだけで加点要素ではあるが、ミラ・ジョヴォヴィッチやトニー・ジャーを配しながら彼らの生身のアクションを活かしきれなかったこととは対照的に感じた。

　とはいえ、人間界と魔界の戦いである武術大会「モータルコンバット」そのものが荒唐無稽であり、いわば「ドラゴンボール」のシリアス版なので、リアリティのある胸を熱くするようなドラマは期待できない。シャン・チー役の候補にもなったルイス・タンやＴＶシリーズなどに多く出演しているジェシカ・マクナミーなどは今後の活躍が期待できそうだし、スタッフの本気度も感じられたものの、続編は望み薄かもしれない。

作品データ
監督：サイモン・マッコイド　出演：ルイス・タン、ジェシカ・マクナミー、真田広之他
製作年：2021年　製作国：アメリカ


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