ほぼ完璧！ プレーム兄貴、王になる

プレーム兄貴、王になる　Prem Ratan Dhan Payo　☆　【ＢＤ】


　ボリウッドが誇る「三大カーン」の１人、サルマン・カーンが一人二役で主演を務めた2015年のドラマ映画。ボリウッド映画歴代興行成績で上位にランクされるヒット作となった。

　舞台俳優のプレーム（サルマン・カーン）は、憧れのマイティリ王女（ソーナム・カプール）にひと目会うため、同僚のカナイヤ（ディーパク・ドブリヤル）とともに彼女が訪れる予定のプリータムプル王国へ向かう。マイティリの婚約者で、即位式を間近に控える王国のヴィジャイ王太子（サルマン・カーン２役）は異母弟姉妹との不仲に悩んでおり、奸臣にそそのかされた弟のアジャイ王子（ニール・二ティン・ムケーシュ）は兄の命を狙って暗殺計画を実行する。ヴィジャイは一命をとりとめたが、重傷を負って即位式に参列することは難しく、王太子の側近である宰相と警護長はヴィジャイに瓜二つのプレームを影武者に立てて難局を乗り切ろうとする。王女のためにとプレームは依頼を引き受け、マイティリや弟姉妹と対面し、即位式に臨むことになる。

　ひさしぶりに鑑賞したインド映画だったが、ストーリーもキャストも完璧。しかも、164分という３時間を切る本編は集中力の持続という点でも文句ナシで、十二分に満足できる作品だった。

　同年の作品「バジュランギおじさんと、小さな迷子」以来のサルマン・カーンとの再会だが、まったく彼はカッコいいのに嫌味がない。「三大カーン」では、個人的にシャー・ルク・カーン、アーミル・カーンに次ぐ３番手に位置づけていたが、一番好きなシャー・ルク・カーンは最近作品を見る機会がなく、この作品で一気にアーミル・カーンも抜いて私の中ではトップに立ちそうな好感度。一人二役といってもプレーム兄貴として登場している場面が多いので、それほどキャラクターの使い分けは気にならず、とにかく前向きで誠実なプレーム兄貴に惚れてしまう。そして言うまでもなく、インド映画に不可欠なのはヒロインの存在。ソーナム・カプールもグラマラスながら清楚な雰囲気を持ったボリウッド女優の典型で、プレーム兄貴でなくてもひと目で好きになってしまう。この美男美女のカップルが男女の機微を演じ、歌い踊り、そしてアクションも見せる。インド映画はあらゆる要素が盛り込まれ、お腹いっぱいを通り越して消化不良になることも少なくないが、この作品はまさに観客が望んでいた地点に見事に着地したといえる。

　もちろん、ストーリーそのものはオリジナルではないし、過去にも似たような作品は多く存在する。しかし、換骨奪胎に秀でるインド映画は、優れた作品であればあるほどリメイクでも既視感や違和感を感じさせない。むしろ、観客が望むとおりに作品が展開するといってもいい。「無理だろうなあ」と思いながらも期待していたハッピーエンドを迎えることができたことが何より嬉しかった。

　ちなみにこの作品はプロジェクターで100インチ超の大画面に映写し、さらに164分をフルに使ってボジョレーヌーボーを１本空けながらの鑑賞。アルコールの効果もあったのかもしれないが、サルマン・カーンとソーナム・カプールに酔いしれる贅沢な時間を過ごすことができた。

作品データ
監督：スーラジ・バルジャーティヤ　出演：サルマン・カーン、そーナム・カプール他
製作年：2015年　製作国：インド


プレーム兄貴、王になる [Blu-ray] - サルマン・カーン, ソーナム・カプール, 二―ル・二ティン・ムケ―シュ, スーラジ・バルジャーティヤ

次はこれ買う！


シャン・チー/テン・リングスの伝説 4K UHD MovieNEX [4K ULTRA HD+3D+ブルーレイ+デジタルコピー+MovieNEXワールド] [Blu-ray] - シム・リウ, オークワフィナ, メンガー・チャン, ファラ・チャン, フロリアン・ムンテアヌ, デスティン・ダニエル・クレットン