さすがMCU ブラック・ウィドウ

ブラック・ウィドウ　BLACK WIDOW　☆　【ＵＨＤ】



　2016年の「シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ」の直後を舞台にした「マーベル・シネマティック・ユニバース（ＭＣＵ）」の24作目で、「アイアンマン２」で初登場したS.H.I.E.L.D.のエージェント「ブラック・ウィドウ」が活躍する2021年のアクション映画。

　ソコヴィア協定に違反したナターシャ（スカーレット・ヨハンソン）は、米国務長官（ウィリアム・ハート）をはじめ、世界中から追われる身となった。友人メイソン（O・T・ファグベンル）の協力でノルウェーの隠れ家に身を寄せたナターシャは、オハイオの偽装家族時代の妹エレーナ（フローレンス・ピュー）からの郵便物を受け取り、それを奪おうとしたタスクマスター（オルガ・キュリレンコ）に襲撃される。難を逃れたナターシャは、ブダペストでエレーナと再会し、かつて自分が壊滅させたはずの暗殺組織レッド・ルームが存続し、殺害したはずのボスのドレイコフ（レイ・ウィンストン）がいまだに支配していることを知る。２人はレッドルームの所在地を明らかにするため、偽装家族の父親だったアレクセイ（デヴィッド・ハーバー）を脱獄させ、サンクトペテルブルクにいる母親メリーナ（レイチェル・ワイズ）を訪ねる。

　前回ブログにアップした「モンスターハンター」の直後に見たので、改めてＭＣＵの作品はよくできていると感心した。「アベンジャーズ/エンドゲーム」で「ブラック・ウィドウ」ロスになっていたが、こうして時系列を遡れば再び彼女に会うことができる（同じ手を使えばアイアンマンとも会えるというわけだ）。再会の嬉しさもさることながら、「シビル・ウォー」から連続しているというストーリーも嬉しかった。ナターシャはあくまでも生身の人間なのでそれなりのリアリティが求められることもあり、「モンスターハンター」のようなファンタジーの世界には踏み込まず、現実世界の範囲内で戦っているところがいい。

　しかし、もったいないと思ったのはブラック・ウィドウの好敵手となるタスクマスターをオルガ・キュリレンコが演じていること。旬は過ぎたとはいえ、「007 慰めの報酬」でボンドガールを務めた彼女を装甲の中に入れ、しかもヘルメットを脱いでも爆発によって醜い容貌になっているというのは悲しい。この役に彼女をキャスティングする意味があるのだろうか。Prime Videoで「007 慰めの報酬」を見た直後だったので余計にそう感じてしまった。レイチェル・ワイズも好きな俳優だが、50代の彼女も魅力十分の役柄だったので、ますますオルガ・キュリレンコが不憫に感じられる。

　スカーレット・ヨハンソンはこの作品の公開方法を巡って訴訟を起こしていたが、ディズニーとは和解したようなのでフェーズ４以降での再登場を期待したい。できれば彼女が30代のうちに（オルガ・キュリレンコは40代に突入したので敵役の扱い？）。

作品データ
監督：ケイト・ショートランド　出演：スカーレット・ヨハンソン、フローレンス・ピュー、レイチェル・ワイズ他
製作年：2021年　製作国：アメリカ


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