ワンダーウーマン1984 Wonder Woman 1984 ☆ 【UHD】
ガル・ガドットが主人公ダイアナ・プリンスを演じた2017年の「ワンダーウーマン」の続編で、DCエクステンデッド・ユニバースの9作目。前作の第一次世界大戦から1984年に舞台を移し、「願いを叶える石」によって大混乱に陥った世界をワンダーウーマンが救う。
ダイアナ・プリンス(ガル・ガドット)は、ワンダーウーマンの正体を隠し、スミソニアン博物館で働いていた。ある日、博物館へ持ち込まれた盗品の中に奇妙な石があることに気づいたダイアナは、同僚の鉱物学者バーバラ・ミネルヴァ(クリステン・ウィグ)に鑑定を頼む。まがい物と思われた石の台座には「何でも一つだけ願いを叶える」とラテン語で彫られており、2人が願いをつぶやくとダイアナのもとにはアレスとの戦いで死んだスティーブ・トレバー(クリス・パイン)が現れ、バーバラは一夜でダイアナのように美しく変貌する。一方、石を狙っていた崖っぷちの事業家・マックス・ロード(ペドロ・パスカル)は、ダイアナたちに近づき、石を奪い取る。自らを「願いを叶える石」にすることを願い、石の力を我がものとしたマックスは、巨大な力を行使して世界を混乱に陥れる。
ガル・ガドットのワンダーウーマンに再び会いたくて4K ULTRA HD &ブルーレイセットを購入。UHDを買ってもブルーレイがついてくるのはいい加減うんざりだが、単身赴任先のブルーレイプレイヤーではUHDが再生できないので、ブルーレイ & DVDセットよりはマシだと考えて我慢している。ときどき、UHDのつもりで気づかずにブルーレイを見ていることがあるのだが。
3年ぶりの「ワンダーウーマン」だが、思ったほど興奮を感じることはなかった。ガル・ガドット演じるダイアナは相変わらず美しいし、彼女のファッションショーは華やかなのだが、敵役が物足りない。一応、願いを叶える石の力を自分のものにしたマックスと、叶えられた願いを手放したくないバーバラ=チーターが直接の相手にはなるものの、彼らは本質的には悪人ではない。いわば欲望にコントロールを失った人間たちの代表なのだ。しかも、ダイアナ自身もスティーブと再び別れたくないという願いを断ち切れずに葛藤する。勧善懲悪のヒーロー(ヒロイン)物語ではなく、ドロドロの欲望ドラマなのだ。そのために「気高く強く美しく」がモットーのワンダーウーマンの魅力が発揮されなかったのだろう。もちろん、人間の本質をついたテーマは、この作品がトランプ政権下に製作されたことを考えれば評価に値するが、エンターテイメントとしては迫力不足の感は否めない。
嬉しかったのは最後にTV版の「ワンダーウーマン」でダイアナを演じたリンダ・カーターが登場したこと。シュッとしたスタイルのガル・ガドットよりもグラマラスで、日本での放映当時に20歳前後だった私は胸をときめかせながら毎週の放送を見ていたのだった。3作目でアステリアとしての登場はあるのだろうか。
次回作でワンダーウーマンの強さと美しさが存分に発揮されることを祈りつつ、当分は「ジャスティス・リーグ」のザック・スナイダー版で我慢するしかない。
作品データ
監督:パティ・ジェンキンス 出演:ガル・ガドット、クリス・パイン、クリステン・ウィグ他
製作年:2020年 製作国:アメリカ
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