展開凝りすぎてるのが難 SAAHO

SAAHO サーホー　☆　【ＢＤ】



　「バーフバリ」の世界的大ヒットで一躍トップスタートなったプラバース主演のアクション映画。インドの他、ＵＡＥやルーマニア、オーストラリアでロケを敢行し、インド国内でも大ヒットした。
　
　犯罪都市ワージーを支配するロイ・グループの首領ロイ（ジャッキー・シュロフ）がムンバイで殺される。ロイを殺し、その後釜を狙うデーヴラージ（チャンキー・パーンデー）たちはロイの残した莫大な資産を手に入れようと動くが、ロイが地方で密かに育てていた息子のヴィシュワク（アルン・ヴィジャイ）がグループの後継者として現れる。一方、ムンバイで連続窃盗事件の捜査を進めていた覆面捜査官のアショーク（プラバース）や市警のアムリタ（シュラッダー・カプール）は、容疑者がロイの資産につながる「ブラックボックス」を狙っていることを知る。ブラックボックスをめぐり、デーヴラージとヴィシュワク、警察の三つどもえの争奪戦が始まる。

　ひさしぶりに見た「ＷＡＲ」が非常に面白かったのでインド映画を連投。「バーフバリ」のプラバース主演ということで期待値も上がったが、前半は思ったほど没入できない。それというのも、ストーリー展開に凝りすぎて、誰が何をしようとしているかがよく分からないのだ。後半になってやっと納得して楽しめるようになるのだが、それまでが何とも居心地悪い。主演のプラバースやヒロインのシュラッダー・カプールガ魅力的なだけに非常にもったいない。映画先進国のインドのヒット作にしては珍しくちぐはぐな印象だった。

　しかし、一通りストーリーを理解すると、「さすがはインド映画！」と褒め称えたくなる。アクションシーンやＣＧは洗練されており、とても日本映画では太刀打ちできない。プラバースもストーリーが進めば進むほどカッコよく、初めてラジニ・カーントを見たときのような、完璧な魅力を感じさせた。脇を固める悪者たちも、はっきり識別できずに混乱するものの、濃い味の個性的な俳優がずらりと並んでいる。本当のアショークを演じた ニール・ニティン・ムケーシュはけっこうカッコいい俳優なので、もう少しいいポジションで活躍させたかった気もするが、「プレーム兄貴、王になる」にも敵役で出ているようなのでそちらに期待。

　いずれにせよ、インド映画は面白い！　

作品データ
監督：スジート　出演：プラバース、シュラッダー・カプール、ジャッキー・シュロフ他
製作年：2019年　製作国：インド


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