
アメリカの自動車メーカー、フォード社がル・マン24時間レースに参戦し、王者フェラーリを破って優勝するまでを描いた2019年のドラマ映画。実在するカーデザイナーのキャロル・シェルビーをマット・デイモン、レーサーのケン・マイルズをクリスチャン・ベールが演じた。
不況による販売不振に苦しむフォード社のヘンリー・フォード2世(トレイシー・レッツ)は、副社長のリー・アイアコッカ(ジョン・バーンサル)を交渉役としてイタリアのフェラーリ社を買収しようとする。しかし、レース参戦の立場を巡って意見が対立したフェラーリ社の創業者エンツォ・フェラーリ(レモ・ジローネ)は、ヘンリー2世を田舎者と罵り、買収は破談に終わる。フェラーリ社がフォード社の買収話を利用してフィアット社への売却を有利に進めようとしていたことを知ったヘンリー2世は激怒し、フェラーリを打ち負かすためにフォードのレース参戦を決意する。アイアコッカは元レーサーのキャロル・シェルビー(マット・デイモン)にレースカー開発を依頼し、シェルビーの推薦でイギリス人レーサーのケン・マイルズ(クリスチャン・ベール)をチームに加える。
車好きにはたまらない作品なのだろう。私が小学生の頃にはスーパーカー・ブームが起こり、それほど車好きでなかった私も一時的に街にあふれたヨーロッパやアメリカのスーパーカーを追いかけていたので、フェラーリやフォード・マスタングの名前を聞くと何となくワクワクしてくる。F1の世界を描いた「ラッシュ/プライドと友情」も非常に面白かったが、この作品は池井戸潤の「下町ロケット」などの企業ドラマとスポーツ根性物を合わせたようなエンターテイメントに仕上がっていて、期待以上に見応えがあった。日本のドラマほど義理と人情には厚くないが、それでも一昔前のアメリカ映画には見られなかった感情的な部分が多く描かれ、特に日本人に好まれそうな作品になっている。
クレジット的にはマット・デイモン演じるキャロル・シェルビーが主人公という感じだが、物語の中で魅力的なのはクリスチャン・ベールが演じたレーサーのケン・マイルズ。マイルズはイギリス生まれでノルマンディー上陸作戦に参加し、その後、アメリカに渡ってキャロル・シェルビーと知り合い、レーサーとして活躍した。1966年のルマンでフォードが優勝する立役者となるが、その2か月後に47歳で事故死したという。実生活もドラマティックだが、作品の中でクリスチャン・ベールが演じたマイルズも人物造形が深い。皮肉屋でとっつきにくいのだが、それでも応援したくなる熱い男なのだ。レース場面はスピード感にあふれ、2時間半の本編もあっという間に過ぎていった。
作品データ
監督:ジェームズ・マンゴールド 出演:マット・デイモン、クリスチャン・ベール他
製作年:2019年 製作国:アメリカ
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