ニユーヨーク・タイムズがスクープしたベトナム戦争についての極秘政府報告書「ペンタゴン・ペーパーズ」を巡る2017年のアメリカ映画。スティーヴン・スピルバーグ監督とトム・ハンクスという安定感のあるコンビに、名優メリル・ストリープが加わった。
泥沼化していくベトナム戦争について作成された最高機密文書「ペンタゴン・ペーパーズ」がニューヨーク・タイムズによってスクープされる。ワシントン・ポストの編集主幹ベン・ブラッドリー(トム・ハンクス)は、報道されていない文書の入手を試みるが、発行人のキャサリン・グラハム(メリル・ストリープ)は友人のマクナマラ国防長官(ブルース・グリーンウッド)を窮地に追い込むことに難色を示す。政府はニューヨーク・タイムズに記事の差し止めを要請し、文書を入手したワシントン・ポストも記事の掲載を巡って社内で意見が分かれるが、キャサリンは新聞の使命を果たすために記事の掲載を決断する。
実話を基にしたリアリティはともかく、メリル・ストリープとトム・ハンクスという希代の名優を楽しむ作品なのだろう。メリル・ストリープは言うに及ばず、トム・ハンクスは歳を重ねるごとにますます魅力的になってきた。青年期から中年期にかけては、童顔の容貌のせいもあって演技は巧いのにどの作品からも同じ印象を受けていたのだが、50代後半を過ぎてからは若い頃とは違った表情を見せるようになってきたような気がする。そんなふうに感じ始めてからはトム・ハンクスに対するアレルギーのようなものもなくなった。この作品ではトム・ハンクスに負けず劣らずメリル・ストリープも存在感を発揮しているので、バランスもとれていて、2人の演技から目が離せなかった。
ストーリーは思ったよりは起伏が乏しい。もしかすると文書をスクープしたニューヨーク・タイムズの内部を描いた方がドラマティックになったのではないかとも思うが、さすがにスピルバーグ監督は観客の心をつかむのが巧い。何だかんだ言っても見終わったあとに満足感を与えてくれる作品だった。
作品データ
監督:スティーヴン・スピルバーグ 出演:メリル・ストリープ、トム・ハンクス他
製作年:2017年 製作国:アメリカ
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