1988年の「帝都物語」の続編で、原作の「戦争編」を映画化した。舞台は昭和20年に移り、加藤保憲を演じる嶋田久作以外はキャストも入れ替わっている。
第二次世界大戦末期の昭和20年、帝都東京は滅びへの道をひた走っていた。観阿彌光凰(丹波哲郎)は日本を救い、大戦を終結させるために連合軍のヒトラー総統を呪い殺そうと準備を進めていたが、大戦の犠牲者たちの怨念が甦らせた魔人、加藤保憲(嶋田久作)が彼らの前に立ちふさがる。光凰の弟子で、霊力を持つ青年、中村(加藤昌也)と平将門の末裔である辰宮雪子(南果歩)が加藤と対決する。
「帝都物語」を見た勢いでプライムビデオで鑑賞。この作品も公開当時に劇場で見ているはずだが、全く記憶に残っていない。1作目に比べるとスケールはいきなり縮小され、大物と言える出演者は丹波哲郎くらいか。魔神、加藤と霊力を持つ青年、中村が対決するという単純な図式で、ストーリーもシンプルになったとはいえ、前作同様に加藤が何をしようとしているのかがピンとこない。前作では関東大震災を引き起こし、この作品では米軍による攻撃を激化させて東京を壊滅に追い込もうということなのだろうが、震災も大戦も特に加藤の霊力が影響しているようには思えないのだ。確かに不気味な力は持っているが、特にこの続編では「加藤はいったい何をしたの?」と疑問に思えてくる。見方によっては単なる誇大妄想狂と言えないこともない。
収穫は、(懐かしの)スクリーミング・マッド・ジョージのグロテスクな造形物と20代半ばの可憐な南果歩に出会えたことだろうか。
作品データ
監督:一瀬隆重 出演:加藤昌也、南果歩、嶋田久作他
製作年:1989年 製作国:日本
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