1982年の「ブレードランナー」から35年経って作られた正統な続編。公開当時は興行的に振るわず、のちにカルト的な人気を得て現在ではSF映画の金字塔といわれる作品となった前作だが、主人公デッカードを演じたハリソン・フォードがこの作品にも出演して話題になった。
2049年、ロサンゼルス警察のブレードランナーK(ライアン・ゴズリング)は、旧型レプリカントを探し出し、「解任」する任務を遂行していた。ある日、郊外の合成農場で旧型レプリカントのサッパー・モートン(ディヴ・バウティスタ)を「解任」するが、敷地内に埋められたトランクから帝王切開で死亡したレプリカントの遺骨が発見される。レプリカントが出産可能であることが世間に知れることを恐れた上司のジョシ警部補(ロビン・ライト)は、Kにレプリカントが産んだ子供の行方を追い、証拠を全て消すように命令する。遺骨が2019年に逃亡したレイチェルのものであることを探り当てたKは、元ブレードランナーのデッカード(ハリソン・フォード)を訪ねる。
8年前にブルーレイプレイヤーを購入し、初めて見たブルーレイの作品が「ブレードランナー」のファイナルカット版。奇しくもプレイヤーの調子が悪くなり、廃棄前の最後に見た作品が「ブレードランナー2049」となった。1作目は35年前に作られたもので、ブルーレイ化して高精細になったといっても現在の撮影技術や画像処理技術に比べるとどうしても不鮮明。ところが、この「ブレードランナー2049」の鮮明さを目の当たりにすると、かえって最新作の方が作り物めいて見えてしまい、1作目の不鮮明な世界の方にリアリティを感じてしまう。
最後までデッカードがレプリカントだったのかどうかは明かされず(描き方からするとやっぱり人間?)、レプリカントと人類が共存できるかどうか分からないまま物語は終わってしまった。1作目に比べるとレプリカントが何を望むのかいまひとつ伝わらず、ライアン・ゴズリング演じるKも十分人間らしく、人間とレプリカントを区別する意味があまりないようにも感じてしまった。テーマ不在という気がする一方で、ライアン・ゴズリングやハリソン・フォードらキャストの存在感は文句ナシ。特にヒロインのジョイを演じたアナ・デ・アルマスは肉体を持たないAIホログラムという設定がもったいないほどかわいらしくて魅力的だった。
ストーリー全体としては何ともすっきりしないところはあるものの、キャラクターの魅力と独特の世界観(雰囲気)で160分を十分に楽しむことができた。
2018年に鑑賞した映画はちょうど50作品。来年はもう少しコンスタントに鑑賞してブログにアップしたいと思っている。
作品データ
監督:ドゥニ・ヴィルヌーヴ 出演:ライアン・ゴズリング、ハリソン・フォード他
製作年:2017年 製作国:アメリカ
次はこれ買う!
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