2018年最後の大傑作 マガディーラ

マガディーラ 勇者転生 Magadheera ☆ 【BD】

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 日本でもヒットを記録し、国際的にも高い評価を受けた「バーフバリ」2部作のS・S・ラージャマウリ監督がメガホンを取った2009年公開のインド(テグル語)映画。テグル語映画としてインド国内では数々の興行記録を打ち立てた作品であったが、「バーフバリ」の日本でのヒットをきっかけに日本でも公開されることとなった。

 17世紀初めのウダイガル王国、ヴィクラム・シン国王(サラット・バーブ)の御前で軍司令官ラナデーヴ(デヴ・ギル)と将軍バイラヴァ(ラーム・チャラン)による武勇対決が行われようとしていた。王女ミトラヴィンダ(カージャル・アグルワール)がバイラヴァに思いを寄せていることを快く思わないラナデーヴは、卑怯な手を使ってバイラヴァを陥れようとするが、バイラヴァは見事勝利し、王女を辱めたラナデーヴは国外追放になる。王女の望みはバイラヴァと結婚することだったが、娘の幸せを願う国王は結婚を諦めるようバイラヴァに伝え、彼も兵士として国に仕えることを決断する。一方、インド全土の征服を企むシェール・カーン(シュリハリ)はラナデーヴを自軍に引き入れ、王国を侵略する。追い詰められたバイラヴァは獅子奮迅の働きを見せるが、ミトラヴィンダ王女とともに命を落とす。バイラヴァの戦いに感銘を受けたシェール・カーンは、シヴァ神に彼の転生を祈る。
 400年後、バイクレーサーのハルシャ(ラーム・チャラン)は、バスを待つ女性の手に偶然触れて過去の記憶が断片的に蘇る。相手の女性インドゥ(カージャル・アグルワール)は、自分のことを探すハルシャを怪しく思い、彼女の友人を名乗ってハルシャを見定めようとする。

 輪廻転生をテーマに、2時間半を存分に使って壮大なドラマが展開する。「恋する輪廻 オーム・シャンティ・オーム」にどっぷりはまってしまった私がこの「マガディーラ」にはまらないわけがない。個人的には「バーフバリ」2部作以上に気に入ってしまった。何しろ17世紀初めを舞台にしたスペクタクル映画と現代のハイデラバードを舞台にしたラブ・ストーリーがリンクする贅沢極まりない構成。インド映画でなければこれだけ盛りだくさんの内容をバランスよくまとめることはできまい。

 主役のハルシャ=バイラヴァを演じたラーム・チャランは、日本のイケメン俳優を見慣れた目からすると暑苦しく感じるかもしれないが、それがまた男らしくてカッコいい。ヒロインのカージャル・アグルワールも写真などで見るとスッキリ系ではない。しかし、映画の中ではミトラヴィンダ王女の気品やインドゥの愛らしさの魅力が大爆発。「恋する輪廻」のヒロインのディーピカー・パードゥコーンに出会ったときと同じように惚れ込んでしまった。いかにも前時代的な男性観と女性観で成立するインド映画だが、ジェンダーフリーの考え方も認めつつ、心動かされる作品が次々と生まれていることも事実である。

 先日忘年会で若い友人にインド映画の魅力を熱く語ってしまったが、「ダンガルきっと、つよくなる」とともにインド映画初心者にもぜひオススメしたい作品である。

作品データ
監督:S・S・ラージャマウリ 出演:ラーム・チャラン、カージャル・アグルワール他
製作年:2009年 製作国:インド


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