「X-MEN」外伝である「ウルヴァリン」シリーズの完結編。2000年の「X-MEN」以来、ヒュー・ジャックマンが演じてきたウルヴァリンが2029年のノースダコタで最期を迎える。
2029年、ミュータントのほとんどがこの世から姿を消し、ローガン(ヒュー・ジャックマン)はリムジンの運転手をしながらメキシコ国境近くの工場跡でチャールズ(パトリック・スチュワート)の介護をして暮らしていた。チャールズはアルツハイマーのために能力をコントロールできなくなり、ローガンもまた毒素に冒されて治癒能力が低下していた。ある日、ローガンは元看護師のガブリエラ(エリザベス・ロドリゲス)から娘のローラ(ダフネ・キーン)を守るよう頼まれるが、その後ガブリエラは殺害され、ローガンはローラとチャールズを連れて武装集団から逃れてノースダコタへ向かう。
「X-MEN」シリーズでもあり、「ウルヴァリン」シリーズでもあるのだが、ローガン、ローラ、チャールズの3人のロードムービーといっていい。孤高のローガンが年老いたチャールズの世話をしたり、無口なローラに手を焼いているシーンはこれまでのシリーズにはない味わいになっている。R-15指定の過激なバイオレンス・アクションも見所の一つではあるが、それ以上に孤独に生きてきたミュータント同士が旅をしながら絆を深めていくところが何とも言えずいい雰囲気。名優ヒュー・ジャックマンの演技は言うに及ばず、子役のダフネ・キーンの演技が出色で、ノースダコタにたどり着いたあとのローガンとローラのやりとりが泣かせる。やっぱり子役と動物には勝てないのだ。
「これでウルヴァリンも見納めか」と思ったエンドクレジットの最後に意味ありげな予告編。どう考えてもウルヴァリンが「デッドプール2」で復活するとは思えないので、単なる次回作の宣伝なのだろうが、こうしてマーベル・シネマティック・ユニバースに取り込まれていくのだ。
作品データ
監督:ジェームズ・マンゴールド 出演:ヒュー・ジャックマン、パトリック・スチュワート他
製作年:2017年 製作国:アメリカ
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