正月明けの退屈しのぎにAmazonプライムから比較的評価の低くないアクション映画を鑑賞。キャストは脇役として多くの作品に出演しているようだが、日本ではほとんど無名の俳優ばかり。唯一、クリストファー・ランバートが出ていたようだが、ほとんど存在感はない。
刑事リップ(ブレナン・エリオット)は、正体不明の犯人による大量殺人をヴァンパイアの仕業と考え、単独で捜査していたが、上司や同僚は彼の言うことを信じようとしない。しかし、ヴァンパイアは実在し、CIAのエージェントとして大統領の密命を受け、アメリカの国家転覆を企むテロリストたちを排除していた。テロリストに妻を誘拐されたリップは、テロリストのアジトに乗り込み、妻を救うとともに核爆弾によるテロを防ぐためヴァンパイアとともに戦う。
ダークヒーローが活躍するアクション作品で、人間とヴァンパイアが共闘するバディ映画でもある。ヒーロー物なので、いかに魅力的なキャラクターを生み出せるかが勝負なのだが、オリジナリティは感じられるものの、いまひとつ地味な感は否めない。というのも、白塗りのスキンヘッドでとんがり耳というヴァンパイアの容姿はいいのだが、性格は意外にきちんとしている。その巨体を活かすだけでなく、二丁拳銃をぶっ放して情け容赦なく悪人を倒しても、相手が悪人なので決して残酷という印象はない。「デッドプール」のようなわかりやすいキャラクターではないので、感情移入できるようになるのは中盤から。本編90分足らずの映画ではなく、TVシリーズにしてリップとヴァンパイアのコンビで活躍させたらもっと面白くなりそうだ。
国家転覆を企むのはイスラム過激派のようだが、このテロリストの描き方が一面的で若干気にならないでもない。よくある「アメリカ的正義」の物語である。
作品データ
監督:ディートリッヒ・ジョンストン 出演:ブレナン・エリオット、マイケル・ベイリー・スミス他
製作年:2013年 製作国:アメリカ
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