「ワイルド・スピード」シリーズの第8作。前作のクランクアップ前に主演のポール・ウォーカーが亡くなったため、彼の穴を埋めるためか前作で強力な敵役として登場したジェイソン・ステイサムが仲間に加わった。スキンヘッドの、肉体だけで勝負できる俳優が3人も並び、これまでのシリーズとは少し違った雰囲気の作品になっている。
キューバでレティ(ミシェル・ロドリゲス)とのハネムーンを楽しんでいたドミニク(ヴィン・ディーゼル)は、サイバーテロリストのサイファー(シャーリーズ・セロン)からある写真を見せられ、一味に加わることを強要される。ドミニクは、ホブス(ドウェイン・ジョンソン)や仲間たちちともにドイツの武器商人から電磁パルス砲を奪還するが、仲間たちには何も告げず電磁パルス砲を持ち去り、サイファーのもとへ走る。ドミニクの裏切りにショックを受けるレティたちだったが、ミスター・ノーバディ(カート・ラッセル)の指揮の下、デッカード(ジェイソン・ステイサム)を仲間に加え、サイファーやドミニクの行方を監視プログラム「ゴッド・アイ」で捜し始める。
前作ではとうとう空を飛び始め、今作では潜水艦まで登場した。アクションもカーアクションより、ヴィン・ディーゼルとジェイソン・ステイサムの格闘シーンの方が印象に残るなど、もしかすると車がなくてもけっこう面白い作品になるような気がしてきた。これにはポール・ウォーカーに代わってジェイソン・ステイサムが中央に出てきたことも大きく影響しているが、そう考えるとブライアンを演じていたポール・ウォーカーの存在が「ワイルド・スピード」には不可欠だったということがわかる。これはこれで面白いのだが、ドライブテクニックやチューンナップなどの車に関する部分が薄くなったことで離れていくファンがいるかもしれない。ヴィン・ディーゼルとドウェイン・ジョンソン、ドウェイン・ジョンソンとジェイソン・ステイサムという対立軸が解消されたことも賛否両論ありそう。いずれにしても、シリーズ完結に向けてラストスパートに入ったようだ。
作品データ
監督:F・ゲイリー・グレイ 出演:ヴィン・ディーゼル、ドウェイン・ジョンソン、ジェイソン・ステイサム他
製作年:2017年 製作国:アメリカ
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