マット・デイモン主演の「ボーン」シリーズの第5作。第4作はスピンオフ的にジェレミー・レナーが新たなキャラクターのアーロン・クロスとして登場したが、今作ではデイモンとグリーングラス監督が満を持して再登板を果たした。
ブラックブライアー作戦の関係者を失脚させ、ひっそり暮らしていたボーン(マット・デイモン)のところへ、元CIA局員のニッキー(ジュリア・スタイルズ)が現れる。彼女はCIAが進める極秘プログラムとボーンの過去に関する秘密を明かすが、CIA局長デューイ(トミー・リー・ジョーンズ)は事実の露見を恐れ、エージェントのリー(アリシア・ヴィキャンデル)にボーンの追跡を命ずる。
やっぱりマット・デイモンだなあ、と感心しながら帰ってきたジェイソン・ボーンを楽しんだ。最初は田舎のあんちゃんのように感じられたマット・デイモンも、いまではどんな役柄を演じても安心して見ていられる。その中でもアクション系やSF系のデイモンが一番いい。
今作のテーマは「父親の死」であり、個人的で、しかも過去の出来事に焦点を当てたため、世界を舞台にしていても、スケールが小さい印象を受けてしまった。CIAに復帰して活躍をする次のシリーズへのつなぎにはなるのかもしれないが、思ったほどの高揚感は味わえなかった。CIAも組織を上げてボーンを追うという感じではなかったのでドキドキはらはらも控え目。大きなスクリーンで見るとまた臨場感は違ったかもしれないが、こじんまりまとまった2時間サスペンスの佳作だった。
作品データ
監督:ポール・グリーングラス 出演:マット・デイモン、トミー・リー・ショーンズ、アリシア・ヴィキャンデル他
製作年:2016年 製作国:アメリカ
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