ロバート・ラングドン教授が活躍するダン・ブラウン原作のミステリ「ダヴィンチ・コード」シリーズの第3弾。
前2作に引き続き、ロン・ハワードが監督を務め、トム・ハンクスがラングドン教授を演じている。
フィレンツェの病院のベッドで目覚めたラングドン(トム・ハンクス)は、頭部をかすめた銃弾の影響で数日間の記憶を失い、幻覚に悩まされていた。医師シエナ(フェリシティ・ジョーンズ)の助けによって、殺し屋から逃れたラングトンは、自分の所持品にダンテの地獄篇をモチーフにしたボッティチェリの地獄絵図を映し出すプロジェクターがあることに気づき、殺し屋やWHOの追跡をかわしながら人類滅亡の企てを阻止しようと奔走する。
ダン・ブラウンの原作を読んだのは「ダヴィンチ・コード」だけで、行きがかり上、「ダヴィンチ・コード」はもちろん、「天使と悪魔」のDVDも所持している。こうなると購入するのは義務のようなもので、期待も予備知識もなしに鑑賞した。
人口増加問題の解決策として人類の半分を抹殺するという発想はミステリというよりもSF的で、前後して鑑賞した「バイオハザード:ザ・ファイナル」のアンブレラ社の発想とも通じるところがある。宗教学や古典芸術、暗号を得意とするラングドン教授にとって、陰謀を巡らせる謎の組織や政府機関の相手をするのは荷が重い感じだが、一応彼の役割は残された手がかりをたどってウィルスのありかを探すということに絞られている。主演がトム・ハンクスではなく、リーアム・ニーソンあたりだったら襲いかかる敵も自ら撃退し、アクション映画として成り立つのだが、トム・ハンクスなのでとにかく逃げ回るしかない。そのため、じっくりと謎解きをする余裕がなく、終始バタバタと走り回っているのだ。構成そのものは容易に先を読ませないようにはなっているが、最後まで見終わってみると、ミステリともアクションとも言いがたい中途半端な印象だけが残った。
キャストでは、ヒロインのフェリシティ・ジョーンズは物語の展開上、抑え気味の演技で、彼女の魅力が十分に発揮されているとはいえない気がする。一番印象に残るのは危機管理会社のトップを演じたイルファン・カーン。インド映画が好きなこともあるが、これからもハリウッドにはなくてはならないインド系俳優として活躍しそうだ。
次はこれ買う!
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