追悼・渡瀬恒彦 青春の門

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 五木寛之のベストセラー小説『青春の門・筑豊編』の2度目の映画化作品。東映の社内では1981年の正月映画として公開が決まるまでに紆余曲折があったらしいが、高校生だった私は「週刊プレイボーイ」に載った松坂慶子や杉田かおるのグラビアを見て、「絶対に見に行かねば」と映画館に足を運んだことを覚えている。

 昭和十年代後半の筑豊、伊吹信介(佐藤浩市)は、幼い頃に父親である「昇り竜」の重蔵(菅原文太)を炭鉱事故で亡くし、義母タエ(松坂慶子)の手で育てられた。父親譲りの真っ直ぐな性格の信介は、重蔵と関わりのあったヤクザの塙竜五郎(若山富三郎)や朝鮮人労働者の金山(渡瀬恒彦)らとの交流を通して成長していく。

 プライムビデオのラインナップから懐かしい作品を見つけ、何気なくダウンロードして鑑賞。直後の渡瀬恒彦の訃報だったが、新聞記事や評伝にはこの「青春の門」はほとんど取り上げられていない。もちろん、渡瀬恒彦には多くの出演作があり、映画「仁義なき戦い」のインパクトの大きさや、TVシリーズの「十津川警部」や「おみやさん」のイメージはあまりにも大きい。しかし、たまたま3月に入ってから「影の軍団服部半蔵」と「青春の門」をプライムビデオで見ているので、私にとっての渡瀬恒彦は「朝鮮人労働者の金山さん」になってしまった。

 原作は、この映画を見たあと、高校から大学にかけて「再起編」までは読了。その後の「挑戦編」と「風雲編」は読んでいないが、まさに私にとっての「青春の1冊」だった。主人公の伊吹信介が魅力的な女性たちと関係を結んでいくところ(本宮ひろ志の『俺の空』にも通じる)や、東京の大学に出て様々な経験をしていくところにも憧れた。もっとも、私も同じように地方から東京に出たものの、信介のような経験はできなかったが。
 
作品データ
監督:蔵原惟義、深作欣二 出演:菅原文太、松坂慶子、佐藤浩市他
製作年:1981年 製作国:日本


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