ステイサムにはチョイ悪が似合う パーカー

PERKER/パーカー　PARKER　【Amazonプライム】

　メル・ギブソン主演の「ペイバック」と同じく、リチャード・スターク（ドナルド・Ｅ・ウェストレイク）の小説「悪党パーカー」シリーズを原作とした2013年のアクション映画。監督は「愛と青春の旅立ち」や「Ray/レイ）のテイラー・ハックフォード。

　汚い金しか奪わない、悪人しか殺さない、仕事は完璧に行う、という３つのルールを守って闇社会を生きるパーカー（ジェイソン・ステイサム）は、大金強奪計画のために集められたメランダー（マイケル・チクリス）たち４人と組んで犯行に成功する。しかし、次の仕事を拒否したパーカーは、４人に襲われて分け前を奪われ、瀕死の重傷を負う。一命を取り留め、復讐を誓ったパーカーは、４人が次の強奪計画を実行しようとしているパームビーチに向かう。

　巨匠といっていいテイラー・ハックフォード監督の作品だが、新鮮みのないストーリーと、ジェイソン・ステイサムにしてはありきたりなアクションのために評判はそれほど大きくなかったらしい。それでもスリルとサスペンスは期待を裏切らず、そこそこ楽しめるアクション映画である。やっぱりジェイソン・ステイサムは正義の味方ではなく、悪役の側に立った方がキャラクターが活かされるし、この作品のように義賊的な役柄だと感情移入もしやすい。アクションシーンはごくふつうの格闘アクションやガンアクションで、ステイサムにもこれという見せ場がなく、何度も瀕死の状態になるので、ファンとしてはストレスが溜まるかもしれない（ステイサムが何度もやられるところで人間性を打ち出し、最後にカタルシスに持ち込む展開を狙ったか）。そしてヒロインのジェニファー・ロペスも結局はふられる役。演技としては深いが、別に彼女でなくてはならないというわけでもない。

　あれこれけちをつけながらも、Amazon のプライムビデオで見るぶんには文句のない娯楽作品だった。

作品データ
監督：テイラー・ハックフォード　出演：ジェイソン・ステイサム、ジェニファー・ロペス他
製作年：2013年　製作国：アメリカ

PARKER/パーカー [Blu-ray]
ワーナー・ホーム・ビデオ
2013-12-04


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