1996年の「インデペンデンス・デイ」の20年後を描いた続編。前作に引き続きローランド・エメリッヒ監督がメガホンを取り、ウィル・スミスこそ写真だけの出演だが、ジェフ・ゴールドブラムやビル・プルマンも同じ役で再登場している。
人類がエイリアンの侵略を退けて20年。人類はエイリアンのテクノロジーを利用して軍備を増強し、月や土星に防衛基地を設営するなどエイリアンの襲来に備えていた。アメリカの独立記念日を目前にして月の上空に正体不明の巨大UFOが出現するが、大統領の判断で撃墜され、UFOの残骸から謎の球体が回収される。しかし、謎の球体は人類をエイリアンから守るために別のエイリアンから送り込まれたものであった。地球に向かっているエイリアン軍もこの球体を狙っていることを知った地球防衛司令部のデイヴィッド(ジェフ・ゴールドブラム)は、球体からの信号を利用してエイリアン軍をおびき寄せ、エイリアンの女王を倒そうと考える。
1作目の「インデペンデンス・デイ」では、圧倒的に力の差があるエイリアン軍に対し、人類はコンピュータウイルスを感染させて敵のテクノロジーを無力化して撃退した。エイリアンに感知されない短波無線で連絡をとって人類が一斉蜂起するなどのアナログなアイディアも、十分に「空想科学小説」の範囲内でワクワクするものだった。しかし、2作目の20年後の人類は、エイリアンのテクノロジーを取り入れることで飛躍的に技術を進歩させてしまい、見る者にとっては「ファンタジー小説」の領域に入ってしまった。そのため、エイリアンとの息詰まる攻防も、ハリー・ポッターが魔法を使って戦っているのと変わりない。他人のふんどしで相撲をとったようなもので、1作目と違って自分も一緒にエイリアンと戦っているような気持ちになれないのだ。おそらく1作目は独立記念日にひっかけてアメリカ人の愛国心を高揚させる作品になっていたはずなのだが、2作目はその点が不十分だったために好評価を得られなかったのだろう。ビル・プルマン演じるホイットモア元大統領が再びエイリアンのUFOに特攻する場面は感動的だが、他の場面ではそれ以上の感動は得られなかった。総じてリアム・ヘムズワースたちの第2世代も存在感は薄い。キャストの中に存在感のある若手俳優が入っていれば印象も変わっていたかもしれないが、感情移入が難しい作品だった。
できればこの作品は3Dで見たかったので〈4K ULTRA HD+3Dブルーレイ+2Dブルーレイ〉で購入。 Ultra HD ブルーレイのプレイヤーや4Kのテレビはまだ持っていないが、DVDとの抱き合わせ販売だけは拒否したかったのだ。ここしばらく自宅で3D作品を見ることをお休みしていたが、こういうSFXを駆使したスケールの大きな作品は、やっぱり3Dで見た方がいい。見ているうちに3Dの世界にはすぐ慣れてしまうものの、作品世界に没入する度合いは2Dとは段違い。しかし、前述のとおりファンタジー映画になってしまったので、単純な感動という点では弱かった。
作品データ
監督:ローランド・エメリッヒ 出演:ジェフ・ゴールドブラム、リアム・ヘムズワース、ビル・プルマン他
製作年:2016年 製作国:アメリカ
インデペンデンス・デイ:リサージェンス(3枚組)[4K ULTRA HD + 3D + Blu-ray]
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