待ちに待った続編　変態仮面: 案山子庵（かかしあん）　KAKASHI-AN

待ちに待った続編　変態仮面

2016年12月31日

HK/変態仮面アブノーマル・クライシス　【iTunes】

　2013年の「HK/変態仮面」の続編。鈴木亮平、清水富美加、ムロツヨシなどの主要キャストはそのままに、相変わらずの徹底したバカバカしさで笑わせてくれる。2016年の大晦日にアップする作品はこれ！

　色丞狂介（鈴木亮平）は、大学生となっても変態仮面として悪を成敗する日々を送っていた。しかし、ガールフレンドの愛子（清水富美加）は、宿敵の大金玉男（ムロツヨシ）を倒した以上、狂介が変態仮面に変身する必要はないと考え、２人の関係はギクシャクし始めていた。そしてついに大学教授の彩田椎名（水崎綾女）と狂介との関係を誤解した愛子はアメリカに留学してしまう。失意の狂介の前に現れたのは、日本中のパンティを吸い込んでしまう怪人「ダイナソン」だった。

　１作目の「HK/変態仮面」を見たときは、低予算のビデオ作品ならともかく、「変態仮面」をここまで本気で映像化したスタッフやキャストの気概に感動すら覚えたが、まさか続編も見ることができるとは思いもしなかった。しかも、いまや若手俳優でも人気の高い鈴木亮平と清水富美加が続投するというのだ。「残念な作品」にはならないと予想はしていたが、果たしてこの続編も期待に違わぬ面白さだった。

　このテの作品をあれこれ語るほど野暮なことはないが、とにかくスタッフやキャストの本気が伝わってくる。本気でバカバカしいことを、しかもメチャクチャ丁寧に取り組むからこそ面白いのだ。見事な肉体を維持している鈴木亮平はもちろん、すっかりブレイクしたムロツヨシも、前作以上に彼の持ち味を出していて面白かった。「スパイダーマン」を意識した縄アクションや変態仙人による修行など、映画好きが喜びそうな小技を利かせ、最後まで飽きることなく見ることができた。このキャストで３作目を見てみたいと思ったのは私だけではないだろう。

　作品そのものももちろん楽しかったが、エンドクレジットに「音楽　瀬川英史」と中学・高校の同級生の名前を確認し、旧友の相変わらずの活躍ぶりもまた嬉しく思ったのだった。

作品データ
監督：福田雄一　出演：鈴木亮平、清水富美加、柳楽優弥他
製作年：2016年　製作国：日本