面白いけど反則 ヘリオス

ヘリオス/赤い諜報戦 赤道/HELIOS ☆ 【BD】

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 香港、中国、台湾、韓国の俳優が集結したスケールの大きいアクション作品。「コールド・ウォー」のリョン・ロクマンとサニー・ルクが監督を務めている。中国では2億元(40億円)の興行収入をあげるヒットを記録したという。

 韓国で開発された小型核兵器DC-8が犯罪組織「ヘリオス」によって航空機から奪われる。香港でDC-8の取引が行われることをつかんだ韓国政府は情報院のチェ理事官(チ・ジニ)と諜報員のパク(チェ・シウォン)を派遣する。彼らは香港警察のリー長官(ニック・チョン)や危機対策本部顧問のシウ教授(ジャッキー・チュン)と協力して「ヘリオス」に迫る。

 本編は118分だが、もっと長い時間見ていたような気になる中身の濃い作品だった。韓国の情報院、香港警察、中国政府と国際的な犯罪組織が複雑に絡み合い、最初はややこしい展開になるのではと危惧したが、なかなか上手に情報が整理されている。大勢の登場人物も場面場面できちんと入れ替わっているので混乱することも少ない。しかも、スピーディな展開で、容易に先を読ませないところも巧い。これ以上はネタバレになるので詳しくは書けないが、主要登場人物が次々に死んでいくことにもビックリ。

 自分が日本人のせいなのか、このテの作品はハリウッド映画よりもアジア映画の方が感情が直に伝わってきてくるので面白い(単にアジア人の俳優だから感情がわかりやすいだけか)。美人女優も多く出ているが、基本的には男の物語。その男の中でも「ヘリオス」の中心人物であるチャン・チェンがいい。1週間前に「黒衣の刺客」を見たばかりだが、彼の持つオーラは、もはや台湾だけではなく、アジアを代表する俳優のものである。

 それにしても、「次はどうなるのだろう」とドキドキさせておいて、事件が解決しないというのはいかがなものか。「アイスマン」もそうだったが、後編があるならあると最初から言って欲しい。現段階では「赤道」の続編が作られているという情報はない。発売元、販売元は責任を持って続編をリリースして欲しいものだ。

作品データ
監督:リョン・ロクマン、サニー・ルク 出演:ジャッキー・チュン、ニック・チョン、チャン・チェン他
製作年:2015年 製作国:中国


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