カン・チョルジュン再び 公共の敵1-1

カン・チョルジュン 公共の敵1-1 Public Enemy Returns  【iTunes】

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 ソル・ギョングが主演を務めた2001年の「公共の敵」の正式な続編。ソル・ギョングは「公共の敵2」では刑事ではなく検察官の役だったが、この作品では、ソル・ギョングだけではなく、カン・シニルやイ・ムンシク、ユ・ヘジンまで1作目のメンバーが顔を揃えている。「公共の敵」の細かいストーリーは忘れてしまったが、この顔ぶれが次々に出てくるだけで面白くないはずはないと確信できる作品だった。

 高校生が深夜の教室で刺殺される事件が発生し、凶器の指紋は別の殺人事件現場で採取されたものと同じだった。江東署強行班の刑事カン・チョルジュン(ソル・ギョング)は、不良高校生を集めてヤクザ組織に引き入れようとする、表向きは合法的な企業である巨成グループ会長のイ・ウォンスル(チョン・ジョエン)に目を付ける。

 最近は韓国映画を見る本数が減ってしまったが、最後に見たのはソル・ギョングが同じく刑事を演じた「監視者たち」だったので、違和感なく作品の世界に入っていくことができた。実際、「公共の敵」の続編と言われても、10年も間が空いて見ると前作は「面白かったなあ」という印象しか残っていない(作品そのものは7年後に作られているが)。

 「公共の敵」や「公共の敵2」はもう少し筋立てが込み入っていたような気がするが、この作品はそれほど複雑な話ではない。粗暴な刑事カン・チョルジュンの相手となるイ・ウォンスルは、対照的に冷静沈着なインテリヤクザで悪役として非常に魅力的なのだが、それほど極悪非道な印象を受けないのだ。そのためにカン・チョルジュンとイ・ウォンスルの間の友情のようなものも感じることができて後味の悪くない作品になっているぶん、見終わったあとの爽快感には欠ける。つまり、これまでのシリーズに比較すると「公共の敵」という憎らしさが足りないのだ。しかし、胃が痛くなるような思いをせず、楽しむことができたので、2015年の最後を飾る作品として選んだのは大正解だった。

作品データ
監督:カン・ウソク 出演:ソル・ギョング、チョン・ジョエン他
製作年:2008年 製作国:韓国


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