異国のリアリティ 監視者たち

監視者たち COLD EYES 【iTunes】

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 警察の特殊犯罪課監視班と、緻密な計画で完全犯罪を次々と成功させる犯罪グループとの攻防を描いた2013年の韓国のサスペンス映画。「私の頭の中の消しゴム」のチョン・ウソンが犯罪グループの冷徹なリーダーを演じたことでも話題になった。

 人並み外れた観察眼と記憶力を評価されて韓国警察特殊犯罪課の監視班に配属された女性刑事ハ・ユンジュ(ハン・ヒョジュ)は、ベテラン班長のファン・サンジュン(ソル・ギョング)の厳しく温かい指導を受けながら正体不明の武装犯罪グループの捜査を行っていた。犯罪グループのリーダー、ジェームズ(チョン・ウソン)は、緻密な計画と優れた判断力でグループを指揮し、監視班の目をすり抜けて犯行を続けていたが、監視カメラに写った一人の男の姿からサンジュンとユンジュはグループへと近づいていく。

 キャストで話題になったのはチョン・ウソンの悪役ぶりだが、個人的にはソル・ギョングがよかった。他の韓流スターに比べて日本人に近い風貌をしているせいだろうか。「シルミド」や「公共の敵」でも感じたが、他のイケメン韓流スターにはない味がある。厳しさの中に優しさや温かみがあり、さらにユーモアも持ち合わせている。中年男性の理想像といってもいいかもしれない。また、ヒロインのハ・ユンジュを演じたハン・ヒョジュもかわいいけれどカッコいい。彼女の存在感は、ソル・ギョングの相手役としても決して不足はなかった。

 様々なところに防犯カメラが設置され、監視社会になっているのは日本も韓国と同じである。だから邦画でも同じように味のあるキャストで、同じように緊迫感のある映画はできそうな気がする。しかし、日本人である私が日本を舞台にした映画を見ると、どうしてもそこに虚構を感じてしまう。もちろん、韓国が舞台だからといって、日本で起こりえないことが簡単に起こるわけではない。それでも異国であることで、ファンタジーが成り立つのだ。「オールドボーイ」や「カンナさん大成功です!」など、韓国映画として楽しんだ作品も多い。そういう意味では、韓国映画にはいくら感謝しても感謝し足りない。

 最後に思わせぶりにサイモン・ヤムが登場するが、この作品のオリジナルである香港映画「天使の眼、野獣の街」へのオマージュだったのだろうか。改めて「天使の眼、野獣の街」を見たくなったが、中古でもけっこうな値段がついていて、どうやら入手は難しそうだ。

作品データ
監督:チョ・ウィソク、キム・ビョンソ 出演:チョン・ウソン、ハン・ヒョジュ、ソル・ギョング他
製作年:2013年 製作国:韓国



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