日本人にもお馴染みの孫悟空が活躍する「西遊記」の前日譚。チャウ・シンチーが監督・脚本・製作を手がけているが、本人は出演していない。
妖怪ハンターの玄奘(ウェン・ジャン)は、川の妖怪(沙悟浄)に襲われていたところを、凄腕の妖怪ハンター段(スー・チー)に救われる。満月の夜を迎えると手が着けられなくなる凶暴な妖怪(猪八戒)を倒すため、孫悟空の協力を得ようと彼が封印されている五指山を目指す玄奘だが、玄奘に一目惚れした段や、賞金目当ての妖怪ハンターも後を追う。五指山の孫悟空は玄奘を歓迎し、妖怪退治への協力を快諾するが……。
昨年の7月にもドニー・イェンが孫悟空を演じた「西遊記之大閙天宮」を見たが、この作品のストーリーも我々がよく知っている「西遊記」ではない。この作品は、妖怪ハンターの玄奘と段が主人公。チャウ・シンチーが得意とするアクション・コメディ映画ではあるが、そこに2人のラブ・ストーリーを絡めたことで物語に厚みが出て、おかしさも倍増した。
特筆すべきはスー・チーのかわいらしさ。彼女は来年40歳になるのだが、8歳も年下のウェン・ジャンの相手役に全く違和感がない(「海洋天堂」や「白蛇傳説」ではジェット・リーとも共演したウェン・ジャンは、濱田岳にも少し似ていて童顔なのに)。「SEX & ZENⅡ」はロレッタ・リーに気を取られてスー・チーの魅力に気づかなかったが、幸い「SEX & ZENⅡ」は香港版のBDを購入済み。じっくりと20歳のスー・チーの魅力を確認してみたい。
ホアン・ボーが演じた孫悟空が妙に現実的でおかしい。手の着けられない乱暴者という孫悟空のイメージはあるが、頭の禿げ上がった老人の孫悟空を誰が想像するだろう。確かに岩穴に閉じ込められて500年も経てばくたびれた姿になるのは当然か。印象に残る役なので、チャウ・シンチーに演じて欲しかったような気もする。
若い人にはピンとこないかもしれないが、チャウ・シンチーが好きだったという「Gメン75」のテーマがエンディングに使われていることも40代以上の日本人にはたまらない。
作品データ
監督:チャウ・シンチー 出演:スー・チー、ウェン・ジャン他
製作年:2013年 製作国:中国
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