2011年にカリフォルニア州知事の任期を終えて以降、次々に主演作が公開されているアーノルド・シュワルツェネッガーの2014年のアクション映画。この作品もそれほど話題にならなかったが、ストーリーにはミステリの要素も加わり、アクションだけに留まらない面白さがある。
麻薬組織を次々に摘発して局内でも一目置かれる麻薬取締局(DEA)の捜査官ジョン・ウォートン(アーノルド・シュワルツェネッガー)率いる特殊部隊は、ある麻薬組織を摘発する一方で組織の闇資金を横領する計画を実行する。隠した闇資金を回収に向かったジョンたちは、その全額を何者かに奪われたことを知る。横領の疑いがかけられたジョンは内務調査局の取り調べを受け、チームも活動停止をやむなくされる。しばらくしてジョンは現場復帰を果たし、チームも再始動するが、メンバーが次々に殺されていく。
老いても脂ぎっているスタローンに比べ、シュワルツェネッガーの場合はいい具合に枯れてきている印象がある。この作品のシュワルツェネッガーも、以前の筋骨隆々の迫力はなく、ある瞬間などはクリント・イーストウッドかと思わせるような雰囲気も見せている。もともとアクションだけではなく、コメディ作品などでもいい味を出しており、「ドラマ」の部分でも魅せる資質は持っていたはず。この作品でも、チームの中の裏切り者は誰なのかというミステリの要素でシュワルツェネッガーの演技力が活かされればよかったのだが、残念なことに脇を固めるキャストが弱かったような気がする。アトランタ市警の女性刑事キャロライン(オリヴィア・ウィリアムズ)はともかくとして、チームのメンバーはいずれも「エクスペンダブルズ」的で、「裏の顔」というものが想像できない。結末そのものは予想できたが、このテのストーリー展開でドキドキさせる手腕においては、香港映画の足下にも及ばなかった。
作品データ
監督:デヴィッド・エアー 出演:アーノルド・シュワルツェネッガー、サム・ワーシントン他
製作年:2014年 製作国:アメリカ
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