2013年のカンヌ国際映画祭で、史上初めて監督と主演の2人に最高賞が贈られたフランス映画の話題作。原作はグラフィックノベルの「ブルーは熱い色」で、3月には日本語版の単行本も発売されている。
高校生のアデル(アデル・エグザルコブロス)は、髪をブルーに染めた年上の美大生エマ(レア・セドゥ)に心を奪われ、女性同士でありながら情熱的な恋に落ちる。一緒に暮らし始めた2人は激しく愛し合うが、次第にすれ違いが生じ、やがて別れのときがやってくる。
「衝撃の愛の”7分間!”史上最高のラブシーンに世界が大喝采!」というジャケットの宣伝文句にもあるように、この作品の目玉は2人の女性によるラブシーン。確かに激しいが、期待したほど「官能的」とは感じなかった。むしろ「観念的」に感じられたのは、私が男性だからかもしれない。女性同士の性愛と考えればドラマティックな作品だが、2人の関係を男女に置き換えると、物語は極めて真っ当なものになる。これからの恋愛とは、必ずしも男女間のものだけを言うことにはならないのだろうから、こういう作品は増えていくのかもしれない。
アデルを演じたアデル・エグザルコブロスは、どこにでもいそうな少女だが、場面によってドキっとさせるような色っぽさを見せる。一方のレア・セドゥは、ハリウッドでも活躍しているが、「ミッション;インポッシブル」で見せたようなセクシーな魅力は感じられず、いかにもレズビアンという雰囲気で徹底していた。
本編は179分と長く、物語そのものは淡々と進行するので、実はところどころ意識を失いかけてしまった。2010年にパルム・ドールを受賞した「ブンミおじさんの森」を見たときも睡魔に負けてしまったのだが、もしかするとカンヌでパルム・ドールを獲るには、私を眠らせるような作品でなければならないのかもしれない。
作品データ
監督:アブデラティ・ケシシュ 出演:アデル・エグザルコブロス、レア・セドゥ他
製作年:2013年 製作国:フランス
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