「レッドクリフ」を降板したチョウ・ユンファが、リベンジマッチで「三国志演義」の曹操を演じる歴史アクション。中国映画お得意の大迫力の合戦シーンこそないものの、「亜州影帝」チョウ・ユンファ様が重厚な演技を見せてドラマを盛り上げる。
魏王の位を与えられた曹操(チョウ・ユンファ)は、銅雀台を造営して献帝をも凌ぐ権力を手にするが、曹操を暗殺する刺客として育てられた穆順(玉木宏)と霊雎(リウ・イーフェイ)は、それぞれ宦官、侍女として好機をうかがう。さらに献帝に替わって皇帝として即位しようと企む曹操の息子の曹丕が加わり、曹操の周囲は混沌としてくる。
印象としては荊軻を主人公にした1998年の「始皇帝暗殺」に近いかもしれない。穆順と霊雎は暗殺を使命としながらも、身近で曹操に接するうちに彼を殺すことを躊躇し始める。ある程度、ストーリー展開は予想がつくものの、それでもチョウ・ユンファのシブい演技に惹きつけられずにはいられない。単に私がチョウ・ユンファのファンだからかもしれないが、キャリアを積んだ彼の演じる人物には厚みが感じられるのだ。人物関係がすんなり入ってこない点は不親切とはいえ、最後まで見るとそれなりに納得できる。玉木宏もチョウ・ユンファやリウ・イーフェイの間に入っても違和感はない。大いに存在感を発揮しているのだが、この作品自体がそれほど話題にならなかったことは残念。
作品データ
監督:チャオ・リンシャン 出演:チョウ・ユンファ、リウ・イーフェイ、玉木宏他
製作年:2012年 製作国:中国
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