童話「白雪姫」をアクション・ファンタジーとして映画化した作品。シャーリーズ・セロン演じる継母ラヴェンナ王妃に対して、クリステン・スチュワート演じるスノーホワイトが父国王の敵を討ち、王国を取り戻そうとする物語だが、それほど突飛な物語になっているわけではない。桐生操の『本当は恐ろしいグリム童話』くらいグロテスクに物語を解釈すれば面白かったのだが、万人ウケをねらうならばやっぱり無理か。スノーホワイトが狩人エリック(クリス・ヘムズワース)の助けを借り、味方であるハモンド公爵の城にたどり着くまでの冒険が見所となる。もちろん、小人たちも登場する。
クリステン・スチュワートは「トワイライト・サーガ」の優柔不断な「二股女」とは違って好感が持てたが、演技力はいまひとつ。もう少ししっくり来るキャスティングがあったかもしれない。しかし、物語の後半になり、幼なじみのウィリアムだけでなく、エリックともキスをするところなどは「待ってました」とばかり喝采を送ってしまった。もっとも、ウィリアムはラヴェンナが化けていたし、エリックとのキスはスノーホワイトが仮死状態だったので、彼女に責任はないようなものだが。クリステン・スチュワートがヒロインとしてもう一つインパクトを残せなかったのは相手役の弱さもあるかもしれない。シャーリーズ・セロンは適役だったが、クリス・ヘムズワースの立場が中途半端。ウィリアムとのバランスもあるが、「マイティ・ソー」のように派手に活躍してもよかったかも。
作品データ
監督:ルパート・サンダース 出演:クリステン・スチュワート、シャーリーズ・セロン、クリス・ヘムズワース他
製作年:2012年 製作国:アメリカ、イギリス
この記事へのコメント