この作品も Blu-ray 単体で発売されたので迷わず購入。ベネチアの美しい風景をバックに、ゴージャスなアンジェリーナ・ジョリーを楽しむにはやはり Blu-ray である。
ブッ飛んだ役柄の多いジョニー・デップがパッとしないアメリカ人の数学教師を演じたこともあり、対照的にアンジェリーナ・ジョリーの存在感が際立った。アンジーの演技は、歌舞伎や落語の名人芸に通じるものがあるような気がする。何を演じてもまぎれもなくアンジーなのだが、それでも彼女の演技に引き込まれずにはいられないのだ。彼女が演じたエリーズは、美しさとかわいらしさを持ち合わせ、とにかくゴージャスな女性(叶姉妹のような胡散臭さは感じない)。男性に対して高圧的にも感じられる態度をとるが、多弁ではなく、男性の方から行動を起こさずにはいられないように仕向けていく。パリからベネチアに向かう列車の中で、ジョニー・デップ演じるフランクを魅了したエリーズの、そしてアンジーの演技は絶品。
フランクが警察とギャングの双方に追われる指名手配犯に間違われ、トラブルに巻き込まれるという設定は非常に分かりやすく、アクション・シーンのバランスも悪くない。奇想天外なストーリーでないだけに物足りなさを感じる人もいるかもしれないが、十二分に楽しめた。
ただし、どんでん返しの結末には賛否両論がありそう。アンジェリーナ・ジョリーとジョニー・デップの超豪華な顔合わせともなればエリーズとフランクの正体を一捻りせずにはいられないのだろうが、強引過ぎる感は否めない。エリーズの正体はともかく、フランクに関してはツッコミどころ満載という気がする。
監督:フロリアン・ヘンケル・フォン・ドナースマルク 出演:アンジェリーナ・ジョリー、ジョニー・デップ他
製作年:2010年 製作国:アメリカ
この記事へのコメント